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  　米国エネルギー省の統計によると、米国内エネルギー消費中の化石燃料の割は1960～70年代初頭が93％強、1980年代後半からは85～87％弱で推移している。総量は全体的に増加傾向にあるが、1990年と2005年を比べると化石燃料が1.18倍、原子力が1.33倍に対して再生可能資源は0.98倍と逆に減少した。エネルギーの中心はずっと化石燃料である。　他方、ブッシュ大統領は先日の一般教書演説では温暖化対策を意識した脱石油政策に触れ、緊縮型の2008会計年度予算案中、軍事費以外で数少ない重点配分を得たのが代替燃料エタノール開発等のエネルギーや環境対策である。カリフォルニア州では昨年9月、州内企業に二酸化炭素排出削減を義務づけ、他州の同種の動きを含め、国・地方を挙げてエネルギー対策に邁進しているようだ。　そうした中で注目されるものとして前回話題にしたエタノールの他に、これまでにも何度かこのコラムでテーマにした太陽光発電がある。　　太陽光発電のコストは30年前1ワットあたり100ドルだったが現在は4ドル。初期費が大きいのでコスト削減には装置費削減が必要である。また設置費用は面積に応じて増減するため同じ発電能力なら設置面積が小さいほうが安く、従って発電効率の向上も求められる。　太陽電池の主な材料はシリコン。もちろんこれは主要な半導体材料で、半導体産業が盛んだったカリフォルニア州の一部地域がシリコンバレーと呼ばれるようになったことは常識である。今は生産拠点の多くが海外に移っているが、関連技術の蓄積は他の追随を許さない。太陽電池の生産技術は半導体製造のそれに似ており、関連技術の開発が活発になるのは当然である。　アプライドマテリアルズ社は太陽電池とトランジスタの両方の製造に使える装置を開発。製造ライン変更が容易で太陽電池製造に柔軟に対応できるとしている。半導体製造大手のサイプレス・セミコンダクタ社は太陽電池メーカーであるサンパワーに出資し、今後太陽電池生産に力を入れる方針。グーグルによる太陽光発電施設導入など大規模な導入事例も登場し、市場拡大が期待できる。　太陽電池の主要な材料であるシリコンの原料不足によるコスト高が懸念されているが、別な原料の開発も進んでいる。シリコンバレーのベンチャー企業であるナノソーラー社は、銅とインジウムから太陽電池を作る新技術を開発しており、ベンチャーキャピタルから多額の出資を受けている。一部で過大な期待による過剰投資との批判もあるが、世界の太陽電池市場のほぼ半分を占める日本勢を将来脅かすことになるのではないかと注目される。　政策の変化もあってエネルギー関連産業への期待は大きく、太陽電池の技術開発と言えばベンチャーキャピタルが出資してくれるのだとか。ちょうどＩＴバブル期にドットコムと言えば出資してくれた状況に似て、やはりバブル的な様相を呈しているようだが、考えを変えればそのバブル期を乗り切った後にＩＴが本格的に普及したのと同じ道を歩む可能性もある。　かつては巨大な軍事予算が集中的に投じられて高度な技術開発が進み、新しい産業が立ち上がってきた。冷戦の終りとともにそうした予算が削減され、軍事費による技術開発と、その民生転用による新しい産業創出といった流れは最近弱くなっているように感じられる。更に軍事費のほうは、良し悪しは別にして今は直接的な戦費のほうが重要なことだろう。　こうした状況を踏まえてＩＴバブル前後の業界の栄枯盛衰を見ていると、多くの投資が特定の分野に集中することで新しいビジネスが一気に立ち上がり、多少痛みを伴いつつそれが落ち着く頃になると本格的普及期を迎える、といった流れが見えてくるようである。　現在、新しい産業が立ち上がってくるために必要な短期間の集中的資源投入の役割は、バブル的熱狂に陥る市場がその一翼を担っているのかもしれない。◆石戸 太（いしど・とおる）氏◆<br>2008年03月27日00時32分<br>新銀行東京：追加出資４００億円、都議会本会議で成立<br>【重慶＝多部田俊輔】中国チベット自治区の共産党機関紙、チベット日報（ラサ市）の26日の報道によると、同自治区で14日に発生した大規模騒乱に関与した280人余りが自首したことが明らかになった。同自治区の公安当局は騒乱に深く関与したとみられる53人を指名手配しており、7人を拘束したことも伝えた。<br>この記事の関連情報をアサヒ・コム内から検索する<br>「ポスト小泉」をうかがう面々を挑発した、小泉純一郎首相の「中二階」発言が波紋を広げている。　首相は名指しを避けたが、「中二階」というのは平沼赳夫、麻生太郎、古賀誠、高村正彦各氏の「士志の会」メンバーや、谷垣禎一財務相、額賀福志郎政調会長ら、小泉後の総理・総裁候補に取りざたされる人々だ。もっと広げれば藤井孝男、町村信孝両氏ら各派の幹部クラスも含まれる。　首相はニューヨークでの同行記者団との懇談で、これらの人々を念頭に「国民は小泉改革を期待しているのに、そういう態度がみられない。そこが、中二階と言われる人たちに『小泉の後をやれ』という声がでてこない原因ではないか」と、一刀両断に切り捨てた。　内閣改造の前にあえて党内を刺激する手法は、いかにも小泉流だが、中二階組への支持が広がらない理由を、小泉改革への協力姿勢に強引に結びつけたところが首相の真骨頂だ。　しかし中二階組の存在感の乏しさの原因は、別のところにありそうだ。背景にあるのは、自民党内のリーダー選びの基準が大きく変わったことである。　一つの仮説を立ててみたい。それは「これからの大政党のリーダーはジダン型よりもベッカム型」というものである。ジダンもベッカムも現在のサッカー界を代表するスーパースターで、ともに「銀河系軍団」と称されるスペイン一部リーグの強豪、レアル・マドリードに所属している。　2人を比べれば、実力、実績ともにジダンの方が上だ。日本でもサッカーファンにどちらが好きかをたずねれば、ジダン派が多数を占めるだろう。しかしサッカーファン以外の人も含めて人気投票をすれば、女性を中心に「ベッカムさま」が圧勝するのは間違いない。ジダンのプレースタイルは華麗だが、サッカーの一流選手と知らずに外見だけで判断すれば、風さいのあがらないおじさんといった趣である。　二大政党化が進み、選挙で政権交代が起きる可能性が現実味を帯び、党首の重要性が飛躍的に高まっている。自民党や民主党のリーダーになるには、幅広い国民的な人気が不可欠である。政治家も見た目の良さが必要な時代になった。　それとともにテレビ受けのする話し方も重要だ。長々と熱弁をふるう雄弁家ではなく、小泉首相のように短い言葉で歯切れ良くコメントする能力が求められている。　ジダンのような政治家がいるのかと問われると、答えに窮するが、過去の総理・総裁で言えば、鈍牛と評された大平正芳氏のようなタイプは、これからはリーダーになれないように思える。タイプは異なるが、竹下登氏のような調整型の政治家も向かないだろう。　自民、民主両党のリーダーに選ばれるためには(1)党内で多数派を形成する能力(2)選挙で勝てると思わせる個人的な魅力――の二つを兼ね備える必要がある。(2)が決定的に重要で、それが(1)を左右する。ちょうど1年前の総裁選で、小泉首相はこれを実証した。中二階組に欠けているのは、小泉改革への協力姿勢ではなく、2番目の「選挙に勝てると思わせる個人的な魅力」なのだろう。<br>１２月から日本人初のＩＳＳ長期滞在を予定している若田光一飛行士（４４）は「土井さんは『きぼう』の最初の難しい仕事をした。私も『きぼう』の最後の仕上げを無事に果たせるよう、訓練に励みたい」と抱負を述べた。<br>